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TORENDIA

三角と四角

本文約1,700字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

三つの角を持つことを誇る三角定木は、鉛筆に自分より角の多い画板の存在を教えられ、対抗心を燃やす。三角定木は画板を出し抜こうと鋏を借り受け、画板が寝ている間にその角を切り落とす。ところが、角を切り取られた画板は角の数が倍の八角形へと姿を変え、かえって周囲からの称賛を集める。自身の行動が招いた結果に動揺し、さらに角が増えることを恐れて降参する三角定木の浅はかな様子を描く。

巖谷小波

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🎧 三角と四角 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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数学の中に幾何というものがある。幾何を学ぶにわ、是非とも定木が入る。その定木の中に、三角定木というのがある。――これわ大方諸君も御存じでしょう。

ところがこの三角定木、自分の体にわ、三方に尖った角のあるのを、大層自慢に致し、世間に品も多いが、乃公ほど角のあるものわあるまい、角にかけてわ乃公が一番だと、たった三つよりない角を、酷く鼻にかけておりました。

すると或る日、同じ机の上にあった鉛筆が来ていうにわ、

(筆)三角さん三角さん、お前わ平常から大層その角を自慢しているし、私らもまたお前ほど角の多いものわないと思っていたが、この間来た画板を見たかイ。あれわお前よりまた角が多いぜ。 と、いいますから、三角わ少し不平の顔色で、 (三)ナニ僕より角の多い奴がおる。馬鹿いい給うな。凡そ世界わ広しといえども、僕より余計に角を持た奴わないはずだ。 (筆)ところがあるから仕方がない。 (三)ナニそれわ君達の眼が如何かしてるのだ。 (筆)ナニ如何も仕てるものか、嘘だと思うなら行て見給え! (三)そんなら行て見よう。嘘だったら承知しないよ。 (筆)いいとも嘘なら首でもやるワ。 と、これから連れ立って行て見ますと、なるほど画板わ真ッ四角で、自分よりわ一角多く、しかも今まで自分を褒めていた連中が、今でわみんな画板の方ばかり向いて、頻りにその角を褒めている様子です。

(筆)どうだイ嘘じゃあるまい。 (三)なるほど此奴わ恐れ入た。 と、さすがの三角定木も、こうなると頭を掻くより他わありません。大いに面目を失いましたが、しかし心の中でわ、まだ負惜しみという奴があって、おのれ生意気な画板め、余計な角を持て来やがって、よくも乃公に赤恥をかかせやがったな。どうするか覚えていろと、果わ悔しまぎれに良くない了簡を起しました。

で、そのまま帰ると、直ぐに近所の鋏の処え参り、

(三)鋏君、申兼たが今夜一ト晩、君の体を貸してくれまいか。  鋏わこれを聞いて、

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