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TORENDIA

女の一生

本文約48,200字 ・ 読了時間 約97分

あらすじ(AIが作成しました)

昭和二十年、戦火で全てを失った堤家の焼跡で、一人住まいを続ける布引けいは、盛岡から訪ねてきた栄二と再会する。物語は、明治三十八年の堤家を回想しながら、家族の営みや激動の時代背景を映し出す。けいが懸命に家族を支え、自らの人生を問い続けながら生きてきた足跡を描くとともに、荒廃した土地にも訪れるであろう新しい芽吹きへの希望を静かに見つめる。

森本薫

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人

布引けい    知栄の少女時代

堤 しず    野村精三

伸太郎   職人 井上

栄二    女中 清

総子    刑事一

ふみ    刑事二

章介

知栄

第一幕の一

堤家の焼跡。

昭和二十年十月のある夜。

正面右手寄りに、之だけが完全に残った石燈籠。左手に壕舎の屋根、舞台右手寄りに切石が二つ三つ積んである。高台と見えて地平線の空が月明に明るい。

石燈籠の脇に堤けい、向うむきに坐りこんでいる。じっとして動かない。髪に白いものも多く、戦禍をくぐって来た事とて年よりもぐっとふけて見える。

間。

下手から栄二、けいより一二歳上だが之も最近「或る場所」から出て来たのですこしふけて見える、暫くあたりを見廻しているがけいに気がついて……

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