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TORENDIA

『新訳源氏物語』初版の序

本文約2,400字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

与謝野晶子による源氏物語の現代口語訳出版に際し、その意義を論じる序文。古文のたおやかな妙が現代のきびきびした口語へ移されることで生じる新たな情緒への期待を綴る。本書の文体は当時の宮廷語を色濃く反映し、現代の言葉に近い自然な面白さを内包していると説く。単なる古語の近代化ではなく、現代の詩人が古の調を今の節奏に移し変えた新曲であると評し、原文の情熱を失わず現代語訳として成功していることを高く評価する。

上田敏

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🎧 『新訳源氏物語』初版の序 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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源氏物語の現代口語訳が、与謝野夫人の筆に成って出版されると聞いた時、予はまずこの業が、いかにもこれにふさわしい人を得たことを祝した。適当の時期に、適当の人が、この興味あってしかも容易からぬ事業を大成したのは、文壇の一快事だと思う。それにつけても、むらむらと起るのは好奇心である。あのたおやかな古文の妙、たとえば真名盤の香をいたようなのが、現代のきびきびした物言に移されたとき、どんな珍しい匂が生じるだろう。瑰の芳烈なる薫か、ヘリオトロウプの艶に仇めいた移香かと想像してみると、昔読んだままのあの物語の記憶から、処々の忘れ難い句が、念頭に浮ぶ。

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