TRENDIA CLASSIC
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
1 / 345
第一編 ワーテルロー
一 ニヴェルから来る道にあるもの
一八六一年五月のある麗しい朝、一人の旅人、すなわちこの物語の著者は、ニヴェルからやってきてラ・ユルプの方へ向かっていた。彼は徒歩で、両側に並み木の並んでる石畳の広い街道を進んでいった。街道は立ち並んで大波のようになってる丘の上を曲がりくねって、あるいは高くあるいは低く続いていた。彼はもうリロアおよびボア・センニュール・イザアクを通り過ぎていた。西の方に、ブレーヌ・ラルーの花びんを逆さにしたような石盤屋根の鐘楼をながめた。ある丘の上の森を過ぎ、それから、ある別れ道の角に、旧関門第四号としるしてある虫の食った標柱の立ってる側にある、一軒の飲食店を通り過ぎた。その飲食店の正面には、「万人歓迎、素人コーヒー店、エシャボー」としるしてあった。
その飲食店から約八分の一里ほどきたころ、彼はある小さな谷間の底に達した。街道の土堤の中に作られたアーチの下を、一条の水が流れていた。道の一方の谷間には一面に濃緑のまばらな木立ちがあったが、道の他方では遠く牧場の方までその木立ちがひろがって、ずっとブレーヌ・ラルーの方まで不規則に延びている様はいかにもみごとだった。
そこに路傍の右手に一軒の宿屋があった。入り口には四輪の荷車があり、葎の茎の大きな束や、鋤や、生籬のそばに積んである乾草など、そして四角な穴には石灰がけむっており、藁戸の古い納屋のそばにははしごが置いてあった。一人の若い娘が畑で草を取っていた。たぶんケルメス祭の野外の見世物か何かのであろうが、大きな黄色い広告の旗がその畑の中に風にひるがえっていた。宿屋の角の所に、一群のあひるの泳いでいる池のそばに、よく石の敷いてない小道が叢の中に走っていた。旅人はその小道にはいった。
ビクトル・ユーゴー Victor Hugoの他の作品
TRENDIA CLASSIC
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
TRENDIA CLASSIC
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
TRENDIA CLASSIC
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
TRENDIA CLASSIC
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
TRENDIA CLASSIC
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo