TORENDIA
エリザベスとエ
セックス
リットン・ストレチー Lytton Strachey
TORENDIA
エリザベスとエセックス
本文約165,300字 ・ 読了時間 約331分
あらすじ(AIが作成しました)
エリザベス女王の治世下、武士や聖職に代わり実力を持つ新興貴族が台頭しイングランドを支配する。この激動の時代、古代の武士道を体現するロバアト・デヴルウことエセックス伯爵が登場する。家系に名門を抱える彼は、輝かしい伝統と宮廷内の勢力を背景に寵臣として頭角を現す。やがて女王の晩年、王位継承をめぐる政治的思惑の中で運命の歯車が狂い、権力闘争と没落の悲劇的な様相を描き出す。
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第一章
イギリスにおける宗教改革は、単に宗教上だけの事件ではない。それは社会的な事件でもあった。中世紀精神のカビが払い落とされると同時に、それにむすびついた革命が、同様の完成度と同様の深達度をもって、俗世の生活にも、権力の座の組織のなかにも起こった。幾世代かにわたってこの世を支配した騎士と僧門は没落し去り、彼らの位置は新しい人間階級に移った。武士でもなく、聖職でもないその階級の、実力もあり活力もある手のうちに、政治の手綱は、そのおいしい利益とともに落ちていったのである。ヘンリー八世の政略の産物であるところの、この驚くべき新興貴族階級は、ついには自分を創ってくれた権力を逆に征服してしまった。王座の人物は影のごとく薄れ、一方で、ラッセル家、カベンディッシュ家、セシル家等々が最高の強固性をもってイギリスを支配し始めた。何世代もの間、これらの貴族がすなわちイングランドであって、彼らを除いてはイングランドの幻想さえ浮んでこないこと、現代においてなお然りである。