TRENDIA CLASSIC

私が占ひに観て貰つた時

牧野信一

🎧 聞ける化(音声で聴く)
朗読音声: VOICEVOX:青山龍星
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自分からすゝんで占ひを観て貰つたことはないが、十七八歳の頃祖母が突然小生の面上のほくろを気にしはぢめて、占ひ者に謀り、何れと何れとを抹殺すべきかと二三を指摘し、さて占者は小生を静座せしめて、はたとその面を睨めて物凄い声で気合ひをかけた。そして数回に亘つて、薬液体のものを、不吉と称するほくろの上に注いだが、一向に効目もなく、終ひにそのまゝ烏耶無耶のうちに中止となつたことがある。

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