TRENDIA CLASSIC

青白き公園

牧野信一

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うるはしくもまたおそろしき

声もつ乙女 ライン河の姫よ

湖水に沈みたる鐘の響

森の姫ラウデンデラインよ

星の世界へ昇りたるケルンよ

さうして、花子さんも

千代子さんも

涙など流してはいけません

皆なで一所に これからは

遊びませう いつまでも

この美しい公園の中で

第一章 その序に

……親しき人々よ、谷間に咲ける真白き花はわれらが為に開くなり、われらはそが花の香りを胸に飾りて、清麗な大空のもとを、――涙はわれらが夢をうるほす宝石なれば深く深くふところに、そはかの古の姫がいとも稀なる緑石を宮殿の倉の底へ蔵したるが如くに……深く秘めて、――。

いざ行かむ、月おぼろなる夜は、われらが胸に翳せる白百合の香りこそ光らむ、そはまた百千の妖魔をくらます白金の剣ともなりて月光と共に競ふらむ……。

――何の為に私は今、こんなわけもわからないやうな文章を綴つてゐるのでせう、私は今、「少女」に連載しやうと思ふ小説を書かうと思つて、さうです、もう今宵は早くから机に向つて切りに想ひを練つて居るのですが、私の頭に浮ぶ雪のやうな幻が余りに美しくて、どこからどう手をおろしていゝか全く迷はずには居られません。

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