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TORENDIA

鉄のシャフト

本文約340字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

捨値で買った腐りかけの鉄のシャフトを磨いては新品として売りつける仕組みの中で、命そのものを吸い取られていく職工の怒りを詠む野村吉哉の労働詩。

野村吉哉

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🎧 鉄のシャフト / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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ゴシゴシゴシキイキイゴシゴシ…… 俺の役目はでっかい鉄のシャフトを磨くのだ まっ赤に染まったどろどろの手袋の中で 感覚を失ってしまっている俺の手は 俺の全生命をこめて鉄のシャフトを磨くのだ

――捨値で買ったボロボロに腐りかけた幾万本の鉄のシャフトは 磨いて塗って幾十倍に売りつけられるのだ コンミッションの力で 新品としてスラスラ通って行くのだ 買うのは誰だ――やっぱり俺達だった 売った生命の代価はかくして奪われ 残る物は何だ――残るものは病根だ。老衰だ。発狂だ。いや死だ!

「しっかり力を入れて磨けやい」 かんとくにどなられ ゴシゴシゴシキイキイゴシゴシ 磨く俺の手にまっ赤にこびりつくものは何だ ――こずり減らされた生命だ――いやその代価だ。奪われた代価だ (発表誌不詳 『新興文学全集』10を底本)

完

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