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TORENDIA

芳賀博士

本文約2,700字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

音羽護国寺で芳賀博士を埋葬した日、著者は沈む夕日を眺めながら故人の学問的功績と人柄を振り返る。明治中葉以降に新国学を樹立し、国民性を論じた著作を残した博士の功績を称えるとともに、その忠君愛国の精神や情誼に厚い一面、また酒や煙草にまつわる逸話などを通じて、周囲から愛された円満な人格と温和寛恕な徳を綴る。本書は、深い敬意と思慕の念を込めて故人の生涯を追悼する。

佐佐木信綱

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🎧 芳賀博士 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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龜原の木立のひまに夕日しづみ悲しくも君をはふりつるはや  これは、芳賀博士を音羽護國寺なる墓地に埋葬した日、遺族及び多くの知己門下の人々のかげに立つて、まむかひの雜司が谷龜原の冬木立の間に沈みはてた夕日を眺めつつ、心のうちに湧きおこつた感懷をさながらのべたのである。

廬山にあつて廬山を見ずといふ如く、多年親しく博士に接してをつた爲に、却つてその傑出した點を感じつつも、明確に考へるといふやうなことはなかつたが、今その遠逝にあうて、のこされた學問上の功績を思へば、博士が、明治の中葉以後に、新國學を樹立せられたことは、まさに江戸時代に於いて、荷田春滿が國學を建設したのと、その功相通うてをるものがある。

かくの如き博士は、また人格の上に於いても、現代稀に見る所であつて、よく後進を導き、情誼に厚かつた。博士の輪廓は、その名著國民性十論の中の論旨を、そのまま具體化した如き感がある。

我が國民性の第一の特質たる「忠君愛國」に就いては、殊にその念が深かつた。忠君の一二の例としては、博士の著國文學史概論の結末に次の如く書いてある。

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