動物物語 狼の王ロボ
本文約8,800字 ・ 読了時間 約18分
あらすじ(AIが作成しました)
北部メキシコのカランポーの谷で家畜を襲い、土地の人々から恐れられる狼の王ロボ。その首に多額の懸賞金がかけられ、多くの猟師や猟犬が退治に挑むが、優れた知恵を持つロボは罠や毒を巧妙にかわし続ける。観察を続けた筆者は、ロボの群れの行動から雌の白狼ブランカの存在に着目する。野生の王として君臨した狼たちが、人間との知恵比べの中でどのような運命を辿るのか、その攻防を描く。
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
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これはアメリカのアーネスト・トムソン・シートンという人が書いた物語で、文中『私』とあるのはシートン氏のことです。シートン氏は幼いころから動物が大好きで、動物に関する物語と絵をかくことを一生懸命勉強しました。そしていつも山岳や草原に露営の生活をして、野生動物を深く観察し、りっぱな動物物語をたくさんあらわしました。この『狼の王ロボ』は、その中でも傑作といわれる面白いものです。
おおかみ狩りの勧誘状
「カランポーの谷の王様おおかみロボの首に、一千ドルの懸賞がかけられた。」
このうわさは、土地の新聞から全メキシコへひろまった。カランポーというのは、北部メキシコを流れている川の名だ。その川の流域には、広々とした草原が開け、それが大きな牧場になっていた。ところがこの谷に一群のおおかみがすんでいて、しきりに家畜をあらす。そのおおかみの群れの王と見られるのは、土地の人々からロボと呼ばれる、まことに悪がしこく獰猛なやつであった。
土地の羊飼達はもちろん、よそからもおおかみ狩りを自慢の連中が続々とやってきて、この悪獣を退治しようとしたのであったが、いずれも失敗して引きあげる。そこでこの一千ドルの懸賞広告が新聞にでたのである。
そのときカランポーに住む友人から、私のところへ、このおおかみ狩りをすすめる手紙がきた。その一節に、こんな文句があった。
「このロボというのは、灰色の大きなおおかみで、カランポー狼群の王といわれるだけにとても知恵がはたらき、毒薬にもわなにもかからない。この地方の牧場でその害をこうむらないものはなく、深夜はるかにその長くひいた異様なほえ声を聞くと、たれでもぞっと身ぶるいがするという。ロボの一党は、非常に数が多いようにいわれているが、私の調べたところでは、五、六頭にすぎないようだ。しかし、どれもこれも狂暴なやつばかりである。私には今のところそれを退治るいい工夫が浮かばん。このさいきみの腕にたよるほかない……」
さんざんな失敗