TORENDIA
罪過論
石橋忍月
TORENDIA
罪過論
本文約3,700字 ・ 読了時間 約8分
あらすじ(AIが作成しました)
アリストテレスが悲哀戯曲論で用いた「罪過」という語について論じる。登場人物を悲惨な境界へと導く動力、すなわち結果に対する原因や伏線を「罪過」と定義し、戯曲のみならず小説においても物語成立に不可欠な要素であると説く。運命を神意ではなく人物の意志や気質による行為の結果と捉え、物語における衝突と同義であるとして、文学作品において人物と行為がいかに重要であるかを論証する。
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🎧 罪過論 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん
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罪過の語はアリストテレスが、之を悲哀戯曲論中に用ひしより起原せるものにして、独逸語の所謂「シウルド」是なり。日本語に之を重訳して罪過と謂ふは稍々穏当ならざるが如しと雖も、世にアイデアル、リアルを訳して理想的、実写的とさへ言ふことあれば、是れ亦差して咎むべきにあらず。
吾人をして若し罪過の定義を下さしめば、簡明に左の如く謂はんと欲す。曰く、
罪過とは悲哀戯曲中の人物を悲惨の境界に淪落せしむる動力(源因)なり