TRENDIA CLASSIC
カラマゾフの兄
弟
ドストエーフスキイ
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誠にまことに汝らに告ぐ、一粒の麦、地に落ちて死なずば、
唯一つにて在りなん、もし死なば、多くの果を結ぶべし。
ヨハネ伝第十二章第二十四節
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アンナ・グリゴリエヴナ・ドストイエフスカヤにおくる
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作者より
この物語の主人公アレクセイ・フョードロヴィッチ・カラマゾフの伝記にとりかかるに当たって、自分は一種の懐疑に陥っている。すなわち、自分は、このアレクセイ・フョードロヴィッチを主人公と呼んではいるが、しかし彼がけっして偉大な人物でないことは、自分でもよく承知している。したがって、『アレクセイ・フョードロヴィッチをこの物語の主人公に選ばれたのは、何か彼に卓越したところがあってのことなのか? いったいこの男が、どんなことを成し遂げたというのか? 何によって、誰に知られているのか? いかなる理由によって、われわれ読者は、この人間の生涯の事実の研究に時間を費やさなければならないのか?』といったたぐいの質問を受けるにきまっていることは、今のうちからよくわかっている。