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TORENDIA

誤まれる姓名の逆列

本文約3,100字 ・ 読了時間 約7分

あらすじ(AIが作成しました)

伊東忠太は、欧米風に姓名の順序を逆転させて表記する日本の慣習を強く批判する。苗字と名前は連結して一つの神聖な固有名を形成するものであり、歴史的経緯や自国の文化を尊重するならば、姓を先に名を後にする表記を徹底すべきだと論じる。また、過去の歴史的人物や地名の扱いを例に挙げ、姓名の逆列は単なる便宜上の問題ではなく、国民の誇りや国柄に関わる重大な課題であると主張し、日本固有の慣習を守る必要性を説く。

伊東忠太

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🎧 誤まれる姓名の逆列 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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一 姓名の由來と順位

わが輩はかつて『國語尊重』と題して、わが國固有の言語殊に固有名の尊重せらるべきゆゑんをのべた。今またこれに關聯して、わが國民の姓名の書き方について一言したいと思ふ。

わが國の姓名の發生發達の歴史はこゝに述べないが、要するに今日吾人の姓と稱するものは實は苗字といふべきもので、苗字と姓と氏とはその出處を異にするものである。

姓は元來身分の分類で、例へば臣、連、宿禰、朝臣などの類であり、氏は家系の分類で、例へば藤原、源、平、菅原、紀などの類である。

苗字は個人の家の名で、多くは土地の名を取つたものである。例へば那須の與一、熊谷の直實、秩父の重忠、鎌倉の權五郎、三浦の大介、佐野の源左衛門といふの類である。

昔は苗字は武士階級以上に限られたが、維新以來百姓町人總て苗字を許されたので、種々雜多な苗字が出現し、苗字を氏とも姓とも呼ぶ事になつて今日にいたつたのである。

わが國固有の風俗として家名を尊重する關係上、當然苗字を先にし名を後にし、苗字と名とを連合して一つの固有名を形づくり、これを以て個人の名稱としたので、苗字を先にするといふことに、歴史的意味の深長なるものがあることを考へねばならぬ。

東洋民族は概して苗字を先にし名を後にするの風習である。支那人はその適例である。

ヨーロツパでもハンガリーなどでは即ちマギアール族で東洋民族であるから、苗字を先にし、名を後にする。

西洋では家よりも個人を尊重するの風習から出たのか否かよく知らぬが、概して姓を後にし名を先にする。

ジヨージ・ワシントン。ジヨン・ラスキン。ジエームス・ワツト。ペーテル・ペーレンス。バウル・ゴーガンなどの類で、前名は即ち個人のキリスト教名後名は即ち家族名である。

印度は地理上東洋に屬するが、民族がアールヤ系であるから、矢張り名を先にし姓を後にする。ラビンドラナート・タゴールといへば、前名は即ち個人名で、後名のタゴールは家名である。

二 歐風模倣の惡例

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