TORENDIA
太陽の子
福士幸次郎
TORENDIA
太陽の子
本文約23,100字 ・ 読了時間 約47分
あらすじ(AIが作成しました)
作者は、かつて自由詩の影響を受け深い憂鬱と人生の虚無に苦しみ、絶望の淵をさまよった。しかし、死の影と向き合いながらも生への強い未練と飢えを感じ、やがて内側から湧き上がる生命の力によって、自身の魂が新しく誕生する奇跡を体験する。本作は、光を追い求め絶えず発生し続ける自らを「太陽の子」と呼び、苦難を乗り越えて力強く生きようとする、魂の誕生と生の熱き躍動を綴った詩集である。
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明治四十二年――大正二年
製作の時期
兄と母に
此の作集を獻ずる
自序
今この詩集を出版するに就いて自分は何にも言はないで出すに忍びない氣がする。何ぜなら此の詩にある心持の凡ては悉く嘗て自分の全生命を盡くして踏んで來た片身だからだ。一歩進めて言へば自分の詩集に自分の序を附けると言ふことは、その制作品の足りない所を補足するやうなものでをこがましい氣がするが、自分の生活は此等の詩と一々ついて離れず進んで來たものであるから、今として見ればその時々の自分の心理に立入つて考へることが出來、又その心理全體を突き貫く自分の心の祕奧、即ち自分の生れると共に持つて來た生の欲求も明示することが出來る。自分は今此の詩全體を生ませるに至つた自分の此の潜流を此の序文であらはにしようと思ふ。