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TORENDIA

隠岐がよひの船

本文約1,100字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

境港から出帆し、隠岐の島々を循環する船の航行の様子や、その道中で著者が抱いた隠岐への深い憧憬を綴る。雨の日に島々の港へ着岸する船の情景、港に集う人々の姿、海門や山々の険しくも美しい眺望を回想し、島という存在の持つ魅力を描き出す。山陰道を旅する人々に向けて、隠岐という場所の持つ懐かしさと、そこを訪れることの素晴らしさを論じる一編である。

田山録弥

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🎧 隠岐がよひの船 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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九月から先は、海が荒れて、ともすると一週間も交通の途絶えるやうなことがあるさうであるけれども、普通はその間は大してひどいところではなかつた。何方かと言へば佐渡にわたるよりも楽であるかも知れなかつた。境の港。朝八時の出帆。これが日によつて外港めぐり内港めぐりの二航船を互に交代にやることになつてゐて、初めの日は島前の赤灘瀬戸から別府、菱に寄港して午後の四時頃に島後の西郷港に着し、二時間ほどそこにゐて、今度は知夫里、崎の二外港に寄港して、終夜航行して、その暁に地蔵岬の鼻にかゝる。これが一つ。その翌日には、それを反対に、境から二つの外港に寄港して矢張午後四時頃に西郷港に着き、今度は内港の二つに寄港して帰途につくやうになる。これが一つ。この二つの循環航行が絶えず常に行はれてゐるのである。船はさう大して大きくはないが、それでもさう危険ではない。何年にもさうした間違ひはないといふことである。

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