TRENDIA CLASSIC

感応

岩村透

🎧 聞ける化(音声で聴く)
朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏
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私がまだ巴里で画生をしていた時分は、一緒に部屋借りをしていたのは、布哇生れの米国人であった。この人の描いた画は、日本でも誰か持っている人があるだろうが、中々巧いもので、殊に故郷の布哇で有名な、かの噴火口の夜景が得意のものであった。この人は彼地有名の銀行家ビショップ氏の推薦により、特に布哇出身の美術家を養成する目的で、この巴里の美術学校へ送られたのである。私はこの男と共に、巴里の一寓に住まって、朝夕皿を洗ったり、煮物をしたりして、つまり二人で自炊生活を営んでいたのであった。食後の休みなどには、種々の世間談も初まったが、この怪談というものは、何れの人々も、興味を持つものとみえて、私等は或晩のこと、偶々それを初めたのであった。

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