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TORENDIA

東京

本文約470字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

師走のうなる空っ風や丸の内の威厳、夜の商店街に交錯する音と光の渦を活写しながら、賑わいの裏に潜む不景気を見つめる櫻間中庸の東京随想。

櫻間中庸

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🎧 東京 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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鈴かけの街路樹。葉の落ちつくした梢を空つ風がうなつて通る十二月です。自動車と電車の音のみが、いやにやかましい所、此處は内務省大藏省復興局などの門を並べたいかめしい? 丸の内です、バラツクの大藏省復興局、それ等の門だけが威嚴をそへようとつとめてゐる。

音の波、光の波、人の波。三つの波が交錯して夜の商店街を構成してゐる。

競つてうならす蓄音機の頓狂なひびき、ラヂオを始めとして露店のたゝき賣り、それからとび拔けて高く調子のよくないのは街頭演説の叫びである。何といふかしましさだ、何といふカシマシイ音のコーラスだ。

そうした音の中を又すばらしい光が流れてゐる。店頭の裝飾の光りは近代都會人の嗜好を如實に現はしてゐる、濃緑・紅・青・さうした光光の中をグラリグラリと動いて行く人の群。群。

十二月一日一齊に始めた歳の市は全市をすつかり師走氣分にかへてしまつた、而しかうした賑やかさの中にも不景氣さが充分伺はれる。金解禁を前にひかへての大亂賣、しかしそれに伴はぬ賣上は不景氣をはつきりと言ひ表はしてゐる。

あわただしい師走は故郷遠く來てゐれば殊更に淋しい。

完

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