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TORENDIA

千住大橋

本文約340字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

煤煙にまみれた千住大橋のたもとを、自転車や荷車、失業者たちが絶え間なく行き交う。雨に濡れた工業地帯の重苦しい光景を描く丹沢明の詩。

丹沢明

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🎧 千住大橋 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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川蒸気の発着所、旗はだらりと垂れ

大川は褐色の満水をたたえ

家々は庇をおろし、重り合う家並の彼方

瓦斯タンクは煤煙の雨空に溶ける

大川に架る錆びた鉄橋、常磐線、

貨車が長い車体を引ずってゆく

動かない煙、つながれて朽るボロ船、泛ぶ空俵

橋梁の陰に点々と黒く固まった人糞

それらの上を雨がたたいている。

江北の関門千住大橋、黒い鉄骨は川幅を跨ぎ

自転車、荷車、トラック、労働者、失業者、失業者

空気はぐしょぐしょに煤煙によごれ

人々は腹の中まで灰色にぬれ

眉毛から雨が滴り、眼はもの憂く渇き

江北の雨は胃袋にまで浸み徹る

自転車――失業者、失業者、絶え間なき流れ

声のない喧騒にあわただしく歩き

騒々しい静寂のなかに佇み、息をのみ

大橋を渡ってゆき、大橋を渡って帰ってくる。

(『詩・行動』一九三五年五月号に発表)

完

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