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TORENDIA

湯川博士の受賞を祝す

本文約3,800字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

敗戦後の日本で湯川秀樹がノーベル賞を受賞した際の講演録。著者である長岡半太郎は、これを国民を鼓舞する好機と捉え、素粒子研究の発展が過去の汚辱を雪ぐ鍵になると説く。また、ノーベルのダイナマイト発見やファラデーらの例を挙げ、科学的発見には直感的なヒントが重要であると論じる。併せて、試験成績のみで学生を評価する風潮を批判し、点数は人間の真の価値を決定するものではないと警鐘を鳴らす。

長岡半太郎

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🎧 湯川博士の受賞を祝す / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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我邦では敗戰の創痍未だ癒えず、媾和條約未だ締結されず、國民は暗雲に鎖された氣持ちに包まれている際、湯川博士がノーベル賞を受けられた吉報に接したのは、黒雲の一隅から一條の日光が燦爛たる輝きを示した心地がして、專門家に限らず大衆に至るまで、歡聲をあげて喜びを同じくしました。しかしその喜びには、いろ/\の素因が伏在しています。單に世界で最も重きを置くノーベル賞が初めて本邦人に與えられたのを喜ぶ人もあり、或は久しく暗黒界に潜んでいた原子核を探求するに先鞭をつけたのは、黄色人の科學者であるにも拘らず受賞されたことを喜んだ人もあろう。或は永く神秘に付せられた原子核の研究が、これより益々發展して、獨り學問のみならず、これを文化開發の用に供せらるゝ時期の遠きにあらざるを豫想して、拍手した人もあつたろう。手を叩いて受賞の報知を迎えた大衆の感想を問わば、千差萬別でありましようが、皆喜びに滿ちたことは疑いを容れませぬ。

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