TRENDIA CLASSIC
村へ行く
鶴彬
TRENDIA CLASSIC
村へ行く
鶴彬
🎧 聞ける化(音声で聴く)
朗読音声: VOICEVOX:青山龍星
1 / 1
晴れわたる 秋の遠山は、らんじゅくした、女のらたい、ふっくらとした、山肌は、女の、いんこうのごとき、谷をきざむ。ああ、はるかに見る、秋の山山は肉感的なるかな 十時五分前 太陽はさんらんと放散するのに馬車にへこんだ、村の道を、詩人があるく × 一せいに高い、けやきの枝は、やみ上がりの女のかみのごとく、うすく宙をねらう 土蔵の壁の白く明るく。 村を吐き出されたひとびとは、 絵のごとく、でんぱたにうごく高い空―― 十時。 地蔵が、もくして立つ、詩の入り口に詩人がつく。