TRENDIA CLASSIC

「ヒロシマ」と「アダノの鐘」について

宮本百合子

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ジョン・ハーシーの「ヒロシマ」と「アダノの鐘」は、日本の読者にもひろくよまれた。そして、ハーシーの作品ににじんでいる人間性に感銘されたという読後感が一致した。「ヒロシマ」は全く記録としてかかれていて「ヒロシマ」をドキュメンタリーに扱うために、ハーシーは日本へ来て、しずかに勤勉にゆきとどいた科学的態度で材料を集めた。第二次世界大戦が人類の生活にひきおこした破壊と惨酷の姿が、「ヒロシマ」にまざまざと一つの典型を示している。原子爆弾が、はじめて殺人の武器として登場したことと並んで「ヒロシマ」は、人類がその文学のうちに初めてもった記録文学の一種である。

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