本文へ移動
TORENDIA

夜叉ヶ池

本文約27,200字 ・ 読了時間 約55分

あらすじ(AIが作成しました)

越前国鹿見村の鐘楼に住む萩原晃と娘の百合は、日照り続きの村で暮らす。文学士の山沢学円が訪れる中、夜叉ヶ池に棲む白雪姫の眷属たちが、村人の捧げ物や雨乞いによる騒乱に怒りを募らせる。干害に苦しむ村人と、池の主である竜神の対立が深まる中、晃は鐘を撞く義務と自身の生活の間で葛藤する。やがて池の水が氾濫し、村を飲み込むような未曾有の事態が迫る中、鐘楼に逃げ込んだ人々を巻き込み、人間界と異界の境界が崩壊していく様を描く。

泉鏡花

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 34

場所  越前国大野郡鹿見村琴弾谷

時   現代。――盛夏

人名  萩原晃(鐘楼守)

百合(娘)

山沢学円(文学士)

白雪姫(夜叉ヶ池の主)

湯尾峠の万年姥(眷属)

白男の鯉七

大蟹五郎

木の芽峠の山椿

鯖江太郎

鯖波次郎

虎杖の入道

十三塚の骨

夥多の影法師

黒和尚鯰入(剣ヶ峰の使者)

与十(鹿見村百姓)

その他大勢

鹿見宅膳(神官)

権藤管八(村会議員)

斎田初雄(小学教師)

畑上嘉伝次(村長)

伝吉(博徒)

小烏風呂助(小相撲)

穴隈鉱蔵(県の代議士)

劇中名をいうもの。――(白山剣ヶ峰、千蛇ヶ池の公達)

[#改ページ]

三国岳の麓の里に、暮六つの鐘きこゆ。――幕を開く。

萩原晃この時白髪のつくり、鐘楼の上に立ちて夕陽を望みつつあり。鐘楼は柱に蔦からまり、高き石段に苔蒸し、棟には草生ゆ。晃やがて徐に段を下りて、清水に米を磨ぐお百合の背後に行く。

晃 水は、美しい。いつ見ても……美しいな。 百合 ええ。 その水の岸に菖蒲あり二三輪小さき花咲く。

泉鏡花の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本