TRENDIA CLASSIC
稚いが地味でよ
い
宮本百合子
1 / 1
作者が添えた手紙でことわっている通り、まだ稚い作品ではあるけれどもリアリスティックな文学の筋の上に立っている。習作ではあるが『大衆クラブ』などにのせれば同感をもってよむひとは少くないだろうと思った。
作者の心持が稚くても、ふっくりとしていて、描かれている農村の生活の細目も自然にうけとれた。ただし、主人公の青年の父親が、農民の生活を不安にする現実から、段々民主的な働きに目を向けて来てやがて積極的になってからのところが、割合安易にかけてしまった。アカハタをよみはじめ、黙って考えをかえてゆくあたりは、さもあろうと肯けるが、積極的になってから、あの父親は言葉まで急に若がえりすぎてしまってはいまいか。妹娘が兄のかくしておいたハタを紙型用にもち出して同級生に、とやかくいわれる場面はおもしろい。しかし、あとでアカハタが村へもっと入るようになってほかの娘も紙型用に学校へもって来るというところは、どうだろうか。何となし読んで、ひっかかった。アカハタがそれほど村に入れば、アカハタを大事にとっておくという心持も、それだけ村にひろがって行っているのが自然だろうのにと思った。稚いといっても小説は地味に大体このような組立てで書かれていってよいものだと思う。
〔一九四八年六月〕
宮本百合子の他の作品
TRENDIA CLASSIC
男…は疲れてい
る
宮本百合子
男…は疲れている
宮本百合子 ・ 約5分
TRENDIA CLASSIC
きょうの写真
宮本百合子
きょうの写真
宮本百合子 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
結婚相手の性行
を知る最善の方
法
宮本百合子
結婚相手の性行を知る最善の方法
宮本百合子 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
「現代百婦人録
」問合せに答え
て
宮本百合子
「現代百婦人録」問合せに答えて
宮本百合子 ・ 約2分
TRENDIA CLASSIC
戦争・平和・曲
学阿世
宮本百合子
戦争・平和・曲学阿世
宮本百合子 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
ソヴェト「劇場
労働青年」
宮本百合子
ソヴェト「劇場労働青年」
宮本百合子 ・ 約5分
TRENDIA CLASSIC
婦人民主クラブ
について
宮本百合子
婦人民主クラブについて
宮本百合子 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
「愛怨峡」にお
ける映画的表現
の問題
宮本百合子
「愛怨峡」における映画的表現の問題
宮本百合子
TRENDIA CLASSIC
愛
宮本百合子
愛
宮本百合子
TRENDIA CLASSIC
「愛と死」
宮本百合子
「愛と死」
宮本百合子
TRENDIA CLASSIC
合図の旗
宮本百合子
合図の旗
宮本百合子
TRENDIA CLASSIC
愛と平和を理想
とする人間生活
宮本百合子
愛と平和を理想とする人間生活
宮本百合子