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TORENDIA

一九二三年夏

本文約7,400字 ・ 読了時間 約15分

あらすじ(AIが作成しました)

一九二三年夏から秋にかけて、地震などの運命を狂わせる出来事に翻弄されながら、自身の内面や周囲の人間模様を観察する著者の記録を収める。祖父母から自分に至る時代の変化や、愛する人との心のすれ違い、娘の初々しい不安、あるいは日常の些細な風景を綴る。標準時計や子供の迷子といった断片的なエピソードから、人間が抱える孤独、謙遜と我まま、生活の実感と空想の狭間で揺れ動く繊細な心情を描き出す。

宮本百合子

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🎧 一九二三年夏 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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標準時計

福井

地震と継母

Oのこと

mammy のこと

aと自分

○祖父母、母、――自分で三つの時代の女性の生活気分と時代(明治初年、明治三十七八年――現今)に至るを、現したい。

――○――

国男、山田さん位の青年の恋に対する心持、恋のしかた、と、娘のそれとの組み合わせ。

――○――

放火犯の心持、

寥しさに火をいじることから始り、心の寥しさが増すにつれて、大きな火をいじるようになる。

火の透明な、暖い燃える色。

――○――

Tさんの心持を思う。

Kのあの冷淡な、実業家的の Matter of Fact の心持。

TさんがKを愛して居るのに、この愛が素直に受け入れられず、その境遇を代えたいのに代える実力も同情者もなく、子供にしばられて、運命にすてばちになって居る心持。

彼女が active に家のことをせず、成金くさくなって居るのは、憐れなふてくされ、と云えよう。

情があって、頭のない女のあわれさ。

――○――

中江さんの場合、

彼女の快活そうな様子はどこから来るか。

――○――

○地震がひとに与えた大きな運命の狂いを背景として、いつも思って居た継母のことを書きたい。

――○――

クリスツス。(christus) see. New Y. Times. Sep. 15, 1923

Anton Lang と云う男 キリストに似たような顔と体、とくに肩つきに似て居ると云うので Passion Play のクリスになる。

その顔の類似が精神に及ぼす影響。

クリストへの愛、研究が深くなるにつれ、自分のキリスト的顔と、一村人としての性格との間の矛盾におそれを抱く。女達の崇拝する心持に対する自嘲、不幸な、苦しみ多き人間として生活するその内面を描いて見たい。

◎標準時計

絶対に狂わず正確なもの と云う

それを或日本の海軍将官が英国で買った。六年の間に一分進んだばかりなので、この次英国に行った時、店に行ってほめた。そしたら、六年の間に 例え 一分でも進むようなことがあったら、標準時計にはなりません。これは久しい間試験したのですからと云って、新らしい別なのと代えてくれた。

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