TRENDIA CLASSIC

利根川の一夜

長塚節

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叔父の案内で利根川の鮭捕を見に行くことになつた、晩飯が濟んで勝手元もひつそりとした頃もうよからうといふので四人で出掛けた、

叔父は小さな包を背負つて提灯をさげる、それから河は寒いと可かないからと叔母が出して呉れた二枚のどてらを、うしろのちやんと呼ばれて居る五十格恰の男が引つ背負つてお供をする、これは提灯と二升樽とをさげる、從弟の十になる兒と自分とは手ぶらで蹤いて行く、

荷物を背負つた二人の樣子が才藏か何かのやうだといふので下婢供が頻りに笑ひこけるのである、うらのとぼ口を出て、落葉した梅の樹の下を木戸口へ出る頃までそれが聞えた、

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