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TORENDIA

鹽原多助一代記

本文約135,900字 ・ 読了時間 約272分

あらすじ(AIが作成しました)

上州沼田の下新田から江戸へ出てきた塩原多助が、奉公先での献身的な働きや、妻と二人三脚で行う倹約と商いを通じて、本所屈指の炭屋として身代を築き上げるまでを描く。本書は、忠孝の道を重んじ、正直と勉強を資本に大成した多助の一代記を収める。実父と養父が同姓同名という数奇な運命を辿りながら、困難を乗り越えて立派に家を再興するまでの物語である。

三遊亭圓朝

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序詞

炭売のおのが妻こそ黒からめと。吟ぜし秀句ならなくに。黒き小袖に鉢巻や。其の助六がせりふに云う。遠くは八王寺の炭焼。売炭の歯欠爺。近くは山谷の梅干婆に至る迄。いぬる天保の頃までは。茶呑咄しに残したる。炭売多助が一代記を。拙作ながら枝炭の。枝葉を添て脱稿しも、原来落語なるを以て。小説稗史に比較なば。所謂雪と炭俵。弁舌は飾れど実の薄かるも。御馴染甲斐に打寄る冠詞の前席から。ギッシリ詰る大入は、誠に僥倖当り炭。俵の縁語に評さえ宜を。例の若林先生が。火鉢にあらぬ得意の速記に。演舌るが儘を書取られしが。写るに速きは消炭も。三舎を避る出来栄に、忽ち一部の册子となりぬ。抑この話説の初集二集は土竈のパットせし事もなく。起炭の賑やかなる場とてもあらねど後編は。駱駝炭の立消なく。鹽原多助が忠孝の道を炭荷と倶に重んじ。節義は恰も固炭の固く取て動かぬのみか。獣炭を作りて酒を煖めし晋の羊が例に做い。自己を節して費用を省き。天下の民寒き者多し独り温煖ならんやと曰いし。宋の太祖が大度を慕い。普く慈善を施せしも。始め蛍の資本より。炭も焼べき大竈と成りし始末の満尾迄。御覧を冀うと言よしの。端書せよとの需はあれど。筆持すべも白炭や。焼ぬ昔の雪の枝炭屋の妻程黒からで鈍き作意の炭手前。曲り形なる飾り炭。唯管炭のくだ/\しけれど。輪炭胴炭点炭と重ねて御求めの有之様。出版人に差代り。代り栄せぬ序詞を。斯は物しつ。

三遊亭圓朝記 [#改丁]

一

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