イーハトーボ農学校の春
本文約2,900字 ・ 読了時間 約6分
あらすじ(AIが作成しました)
青空いっぱいに響く太陽の輝きの中、黄色い実習服を纏った農学校の生徒たちは、堆肥小屋の肥溜から肥料を汲み出す作業に精を出す。春の訪れに胸を躍らせる阿部時夫をはじめとする若者たちは、町の裏を通って麦畑へと肥桶を運ぶ。自然界のすみずみに命の脈動を感じながら、彼らは春の喜びを分かち合い、懸命に仕事に取り組む。周囲の景色や春の息吹に満ちた風景の中で、若々しい活気と自然の力強さが一体となって物語の中に溢れ出す。
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太陽マジックのうたはもう青ぞらいっぱい、ひっきりなしにごうごうごうごう鳴っています。
わたしたちは黄いろの実習服を着て、くずれかかった煉瓦の肥溜のとこへあつまりました。
冬中いつも唇が青ざめて、がたがたふるえていた阿部時夫などが、今日はまるでいきいきした顔いろになってにかにかにかにか笑っています。ほんとうに阿部時夫なら、冬の間からだが悪かったのではなくて、シャツを一枚しかもっていなかったのです。それにせいが高いので、教室でもいちばん火に遠いこわれた戸のすきまから風のひゅうひゅう入って来る北東の隅だったのです。
けれども今日は、こんなにそらがまっ青で、見ているとまるでわくわくするよう、かれくさも桑ばやしの黄いろの脚もまばゆいくらいです。おまけに堆肥小屋の裏の二きれの雲は立派に光っていますし、それにちかくの空ではひばりがまるで砂糖水のようにふるえて、すきとおった空気いっぱいやっているのです。もう誰だって胸中からもくもく湧いてくるうれしさに笑い出さないでいられるでしょうか。そうでなければ無理に口を横に大きくしたり、わざと額をしかめたりしてそれをごまかしているのです。
(コロナは六十三万二百
※[#ト音記号、48-12]‥‥‥
※[#ト音記号、48-13]‥‥‥
ああきれいだ、まるでまっ赤な花火のようだよ。)
それはリシウムの紅焔でしょう。ほんとうに光炎菩薩太陽マジックの歌はそらにも地面にもちからいっぱい、日光の小さな小さな菫や橙や赤の波といっしょに一生けん命に鳴っています。カイロ男爵だって早く上等の絹のフロックを着て明るいとこへ飛びだすがいいでしょう。
楊の木の中でも樺の木でも、またかれくさの地下茎でも、月光いろの甘い樹液がちらちらゆれだし、早い萱草やつめくさの芽にはもう黄金いろのちいさな澱粉の粒がつうつう浮いたり沈んだりしています。
(※[#ト音記号、49-8]‥‥‥
コロナは三十七万十九
※[#ト音記号、49-10]‥‥‥
※[#ト音記号、49-11]‥‥‥ )