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TORENDIA

家を持つといふこと

本文約6,700字 ・ 読了時間 約14分

あらすじ(AIが作成しました)

自然と人生を切り離して捉えがちな現代において、鳥類などの動物の家庭生活や領土形成を観察し、人間社会の婚姻や家族制度の源流を考察する。人間もかつては自然の一部として、自らの生活を営むための場所と食料を確保した上で家庭を築き上げてきた。現代の婚姻制度や家族の在り方についても、自然界の古い型や歴史的背景に立ち返ることで、今後のあるべき姿を模索する必要があると論じる。

柳田國男

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自然と人生と、二つは向き/\に進み、又時としては抗立相剋せんとするものゝ如く思ふ人が、此頃多くなつたやうに感じられる。如何なる世が来ても草木は依然として美しく、うたゝ国破れて山河在りの句が口ずさまるゝのみならず、或はほゝゑんでこの世上の悩みを、視て居るのでは無いかと思ふやうな折も有る為に、人はたゞ何と無くそんな気になるのかも知らぬが、又一つには近頃やゝ久しい間、人生を自然の現象の片端と観ずる練修を、我々が怠つて居たといふことも気づかれるのである。

如何なる生活が自然のまゝ、おのづからなる在り方といふべきかについては、をかしい程さま/″\な考へ様が今まではあつて、それを一つに決するのが煩はしさに、寧ろ我々はこの問題を避けようともして居た。しかし静かに見て来ると、自然そのものも亦成長して居る。時と内外の力のかねあひに由つて、変るべきものは変らずには居なかつた。強ひて其以前の状態に復らうとすることが、自然の道で無いことは是だけでもわかるのである。境涯経歴の全く異なるものゝ中に、手本の無いことも始めから知れて居る。何が我々のおのづからであつたかといふことは、やはり辛苦して是から捜し出すの外は無いやうである。

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