日記
本文約48,600字 ・ 読了時間 約98分
あらすじ(AIが作成しました)
モスクワでの生活を送る著者が、知人らとの交流や観劇、文学活動を通じた日常を綴る。日記形式で綴られた本作は、日々のささやかな出来事や友人との対話、映画や舞台鑑賞の感想、さらには食糧事情や仕事に追われる様子が等身大に描かれる。後半では日本へ帰国し、茅ヶ崎で新たな生活を始める中での執筆活動や、家を構えることに対する率直な心情が記される。異国の地から帰国後まで、著者の内省的かつ詳細な記録を収める。
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
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一月一日 水 モスクの正月のしじまいだ。遊びじまいをした。
一月四日 土 オリガ・ヤコブレナが散歩に誘う。コロス〔映画館名〕へ行ったら一寸でおくれ、ずっと四角く歩いて家へゆき、狼と羊などして遊んだ。
一月五日 日 酒匂さんのところへ最後に集る。極めて少数。犬伏君大いに力を入れてアホダラと謡曲をやった。主人公皆に浮き立って欲しかったらしいがそううまく行かず。
一月六日 月 午後六時四十分酒匂さん夫婦出立。はじめ大キーツスキーへよって停車場へ送った。見送人多勢。柵の外の人間が珍しそうに多勢の日本人を眺めて居た。自分達これで一役すました感じだ。
一月九日 木 一九〇五年の一月九日の記念[#血の日曜日]のためにゴルキーの夕をやった。ラリサ・レイスネルの夫だったラスコーリニコフ開会の辞。ラスコーリニコフ若いときは暖いよい若者だったろう。これとラデックと比較すると渋さが違い、面白いと思った。
一九〇五年の一月九日の四人朗読非常によかった。
今日やっとビザがもらえた。三ヵ月だ。
一月十日 金 きんさん夫妻が来た。あすこ、それから御雑煮をたべた。
一月十一日 土 きんさんのところへゆく。
一月十二日 日 桜木さんが来た。いろんなアニェクドート〔逸話〕をきいた。
K、ローマから手紙。もう一月六日に日本へ立ってしまった! 何だ! 何のために出てきたのだ。バカ!
一月十三日 月 ソブレメンヌイ・ポエジー[#現代詩への夕べ]へ行った。なかなか面白い。かえりに馬車へのった。
一月十四日 火 芸術座でツァーリ・フィヨードル〔「フョードル皇帝」〕を見た。これはモスクビンだが、ボリスをやる男が柔いのでフィヨードル引き立たず、惜しかった。このボリスより第二のイワン・グローズヌイ〔「イワン雷帝」〕のボリスの方が効果的だった。
Yのところへ先生が来るというので出かけて Moscow まわりをしたが待ちぼけだった。
一月十六日 木 オリガ・ヤーコブレブナが来て夜すっかり話した。六時すぎ先生が来るというので仕方なくべこ出かけて活動を見た。(アンチミリタリズムの)