TRENDIA CLASSIC

日記

宮本百合子

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一月一日 水  モスクの正月のしじまいだ。遊びじまいをした。

一月四日 土  オリガ・ヤコブレナが散歩に誘う。コロス〔映画館名〕へ行ったら一寸でおくれ、ずっと四角く歩いて家へゆき、狼と羊などして遊んだ。

一月五日 日  酒匂さんのところへ最後に集る。極めて少数。犬伏君大いに力を入れてアホダラと謡曲をやった。主人公皆に浮き立って欲しかったらしいがそううまく行かず。

一月六日 月  午後六時四十分酒匂さん夫婦出立。はじめ大キーツスキーへよって停車場へ送った。見送人多勢。柵の外の人間が珍しそうに多勢の日本人を眺めて居た。自分達これで一役すました感じだ。

一月九日 木  一九〇五年の一月九日の記念[#血の日曜日]のためにゴルキーの夕をやった。ラリサ・レイスネルの夫だったラスコーリニコフ開会の辞。ラスコーリニコフ若いときは暖いよい若者だったろう。これとラデックと比較すると渋さが違い、面白いと思った。

一九〇五年の一月九日の四人朗読非常によかった。

今日やっとビザがもらえた。三ヵ月だ。

一月十日 金  きんさん夫妻が来た。あすこ、それから御雑煮をたべた。

一月十一日 土  きんさんのところへゆく。

一月十二日 日  桜木さんが来た。いろんなアニェクドート〔逸話〕をきいた。

K、ローマから手紙。もう一月六日に日本へ立ってしまった! 何だ! 何のために出てきたのだ。バカ!

一月十三日 月  ソブレメンヌイ・ポエジー[#現代詩への夕べ]へ行った。なかなか面白い。かえりに馬車へのった。

一月十四日 火  芸術座でツァーリ・フィヨードル〔「フョードル皇帝」〕を見た。これはモスクビンだが、ボリスをやる男が柔いのでフィヨードル引き立たず、惜しかった。このボリスより第二のイワン・グローズヌイ〔「イワン雷帝」〕のボリスの方が効果的だった。

Yのところへ先生が来るというので出かけて Moscow まわりをしたが待ちぼけだった。

一月十六日 木  オリガ・ヤーコブレブナが来て夜すっかり話した。六時すぎ先生が来るというので仕方なくべこ出かけて活動を見た。(アンチミリタリズムの)

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