太陽系統の滅亡
本文約7,000字 ・ 読了時間 約15分
あらすじ(AIが作成しました)
太陽と惑星が近い将来に滅亡するという報せを受け、全人類は絶望に包まれる。世界中の学者や各界の代表が集う新世界建設同盟会は、地球を脱出して別天地へ移住する計画を立て、天文学者たちが太陽系の成り立ちや滅亡の必然性を論じる。月が地球に衝突する危機が迫る中、極限状態の人々は肉体の消滅や死後の魂について語り合う。やがて太陽は光を失い、月が地球に衝突する時、地球上の生命は静かに終わりを迎える。進化の一過程として生滅を繰り返す宇宙の流転を描く。
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
💰 この本を応援する(投げ銭)
新世界建設同盟会=恐怖時代=死世界は活世界となる=エーテルの利用=地球を運搬す=最後の通告=地球の末期
上 太陽滅亡の悲惨
太陽及びその他の惑星は、近き将来に於て滅亡せんとす! との一声は、あたかも響きの物に応ずるがごとく、全世界に向って、電光の速かなるように走り報じたのである、太陽の滅亡! と同時に、全地球上の人類は、我住所の絶滅、我あらゆる者の滅尽を連想して、如何に彼らは、多大の恐怖と、悲嘆とに陥ったであろうか、神経の過敏なる者どもは、この一声の警電を耳にしただけで、すでに生気を絶たれたほどであった。
宇宙は不可解なり、されど不可解だけに、また如何なる世界があろうやら知れない、宗教上に説く所の、天堂極楽のごときも、あるいは我が太陽系統以外の恒星界を意味するかも知れぬ、坐して滅亡の悲運を目前に眺めんよりは、しかず広大なる宇宙に走って、さらに新世界を築かんには!
欧米の学者はともに声を一にして絶叫した、乞うまず彼らの語る所をきけ。
「昔、宇宙には極めて多くの火球があった、太陽もその一つであったが、彼らは同じように非常なる速力で回転しておったのである」
今や新世界建設同盟会の一人は、某天文学者の学説を公衆に紹介すべく、壇上に現われて、かくのごとく演べたのである、ここに於て吾々は、まずこの新世界建設同盟会の現状に就いて記さねばなるまい。
驚くべき警電に接したる彼らは、すでに黄禍だとか白禍だとかいえる、さる偏狭なる人種上の争奪を棄却して、互に恐るべき太陽系を逸脱して、さらに別天地に子孫の繁栄を図ろうとしたのである。
所はこれ東西大陸の中心、完全なる天文台は、敢て経費の支出を俟たず、地球上に存在せる、あらゆる材料を搬入して、立所に出来て仕舞った、また同盟会議所のごときは、優に一億万人を収容するに足るべき大殿堂であるが、ここには各国から簡派したる、各階級の議員が、充満しておるのである。
これらの議員は、いずれも財産を思うもの一人もなく、等しく自己の生命を全うして、未来の安楽を希うものばかりである。
同盟会の一人は、さらに語を続けて述べていうよう。