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TORENDIA

死んだ魂

本文約4,800字 ・ 読了時間 約10分

あらすじ(AIが作成しました)

ロシアの各教育施設では、実在しない子供を名簿に加えて食糧を不正に受給する「死んだ魂」と称される横領が横行している。当局の官僚政治は贈賄と腐敗を招き、不正を拒む誠実な教育者たちを排除して社会から追放する。本作は、ボリシェヴィキによる国家体制下の児童教育現場における過酷な実態と、寄生虫的な官僚機構が子供たちの生活や教育をいかに破壊しているかを論じる。

エマ・ゴオルドマン

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🎧 死んだ魂 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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一

今から百年以前、ゴオゴルは其の傑作『死んだ魂』で同国人を驚かした。それは、ロシアの封建制度と其の寄生虫共を仮借なく非難したものであつた。『死んだ魂』は再びロシアの生活に帰つて来た。

誰が現代の死んだ魂か? それは実際を話す方が一番はつきりするだらう。何処の託児所も、寄宿学校も、感化院も――実際子供と大人とが住んでゐる何処のさうした所にでも、――寄宿舎の数だけ、食物や着物や定食糧やを取る権利を与へられてゐる。

総ての学院では中央分配局の供給にたよつてゐる。或る学院のために必要などんなものを手に入れるにも先づ二十人も三十人ものチノヴニキ、即ち役人の署名と副署とのついた幾つもの命令書を貰はなければならない。

チノヴニキは、型のやうに、何かの賄賂を受け取るまでは、手を延引させておく。そこで其学院の人間の実際の数よりはずつと多い人間のための命令を貰はなければならない事になる。そして其の『余分のもの』は賄賂ともなり、同時に又其の学院の飢えた友達のためのものとなるのだ。

たとへば、私の友達の学校には六十五人の子供達がゐる。以前の舎監達はみんな架空の人の名前――死んだ魂――を学校の子供達の実際の統計に加へてゐた。かうして手に入れた其の余分の食糧を賄賂に使つて、其のお蔭で舎監達は其の仕事を早く運ぶ事が出来た。学校の主事等はかうしていろんな役所の『勢力のあるもの』に賄賂を使つてゐるので、其の仕事をサボつたり、子供を放つておいたりまた濫用したりしても、或は又往々寄宿生の為めに貰つた食料で投機をしても、ちつともかまはないのだ。彼等は『上の方の友達』を持つてゐるのだ。

二

ロシアの到る処に行はれてゐる此の面白いやり方の結果は、勿論明かな事だ。が、私の友達は、そんな事の仲間にはなれなかつた。彼女は『死んだ魂』を加へる事を拒んだ。

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