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TORENDIA

瘠我慢の説

本文約630字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

瘠我慢の説と題した草稿を公にしようとする福沢諭吉が、勝海舟と榎本武揚へ宛てた手簡と、それに対する二人の回答を収録する。福沢は自身の執筆内容に事実の誤りや意見がないかを当事者に問い、対して勝は毀誉褒貶を意に介さない姿勢を、榎本は多忙を理由にいずれ見解を述べる旨を綴る。本書は当時の人物間で行われた、幕末の行動や信条をめぐる書簡のやり取りを通じて、それぞれの生き様や政治的な立場における矜持を浮き彫りにする。

福沢諭吉 勝海舟 榎本武揚

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福沢先生の手簡

拝啓仕候。陳ば過日瘠我慢之説と題したる草稿一冊を呈し候。或は御一読も被成下候哉。其節申上候通り、何れ是は時節を見計、世に公にする積に候得共、尚熟考仕候に、書中或は事実の間違は有之間敷哉、又は立論之旨に付御意見は有之間敷哉、若しこれあらば無御伏臓被仰聞被下度、小生の本心は漫に他を攻撃して楽しむものにあらず、唯多年来心に釈然たらざるものを記して輿論に質し、天下後世の為めにせんとするまでの事なれば、当局の御本人に於て云々の御説もあらば拝承致し度、何卒御漏し奉願候。要用のみ重て申上候。匆々頓首。

二月五日諭吉    …………様

尚以彼の草稿は極秘に致し置、今日に至るまで二、三親友の外へは誰れにも見せ不申候。是亦乍序申上候。以上。

[#改ページ]

勝安芳氏の答書

従古当路者古今一世之人物にあらざれば、衆賢之批評に当る者あらず。不計も拙老先年之行為に於て御議論数百言御指摘、実に慙愧に不堪ず、御深志忝存候。

行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に与からず我に関せずと存候。各人へ御示御座候とも毛頭異存無之候。御差越之御草稿は拝受いたし度、御許容可被下候也。

二月六日安芳    福沢先生

拙、此程より所労平臥中、筆を採るに懶く[#「懶く」は底本では「瀬く」]、乱筆蒙御海容度候。

[#改ページ]

榎本武揚氏の答書

拝復。過日御示被下候貴著瘠我慢中、事実相違之廉並に小生之所見もあらば云々との御意致拝承候。昨今別而多忙に付いずれ其中愚見可申述候。先は不取敢回音如此に候也。

二月五日武揚    福沢諭吉様

完

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