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TORENDIA

国語の自在性

本文約990字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

文化発展の基礎となる民族の言語について論じる。特に日本語の特性として、現実の中に無限を捉える俳句の美を挙げつつ、今後はそれらを深め、雄大な文学や深遠な哲学を生み出す努力が必要だと説く。また、外来の言語を取り入れて同化させる日本語の自在性を指摘し、言語を固定的な純粋性にとらわれることなく、生きた言葉として発展させ、世界的な独自の人生観や世界観を表現できるものへと高めていくべきだと主張する評論である。

西田幾多郎

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🎧 国語の自在性 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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文化の発展には民族というものが基礎とならねばならぬ。民族的統一を形成するものは風俗慣習等種々なる生活様式を挙げることができるであろうが、言語というものがその最大な要素でなければならない。故に優秀な民族は優秀な言語を有つ。ギリシャ語は哲学に適し、ラティン語は法律に適するといわれる。日本語は何に適するか。私はなおかかる問題について考えて見たことはないが、一例をいえば、俳句という如きものは、とても外国語には訳のできないものではないかと思う。それは日本語によってのみ表現し得る美であり、大きくいえば日本人の人生観、世界観の特色を示しているともいえる。日本人の物の見方考え方の特色は、現実の中に無限を掴むにあるのである。しかし我々は単に俳句の如きものの美を誇とするに安んずることなく、我々の物の見方考え方を深めて、我々の心の底から雄大な文学や深遠な哲学を生み出すよう努力せなければならない。我々は腹の底から物事を深く考え大きく組織して行くと共に、我々の国語をして自ら世界歴史において他に類のない人生観、世界観を表現する特色ある言語たらしめねばならない。本当に物事を考えて真に或物を掴めば、自ら他によって表現することのできない言表が出て来るものである。

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