TORENDIA
東の渚
伊藤野枝
TORENDIA
東の渚
本文約440字 ・ 読了時間 約1分
あらすじ(AIが作成しました)
東の磯の岩にとまり悲しげに泣く海鳥「ケエツブロウ」に呼びかけ、その哀しみに自らの心を重ね、いっそ渦巻く海へ共に死のうと詠む伊藤野枝の詩。
速度
🎧 東の渚 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん
💰 この本を応援する(投げ銭)
1 / 1
東の磯の離れ岩、
その褐色の岩の背に、
今日もとまつたケエツブロウよ、
何故にお前はそのやうに
かなしい声してお泣きやる。
お前のつれは何処へ去た
お前の寝床はどこにある――
もう日が暮れるよ――御覧、
あの――あの沖のうすもやを、
何時までお前は其処にゐる。
岩と岩との間の瀬戸の、
あの渦をまく恐ろしい、
その海の面をケエツブロウよ、
いつまでお前はながめてる
あれ――あのたよりなげな泣き声――
海の声まであのやうに
はやくかへれとしかつてゐるに
何時まで其処にゐやる気か
何がかなしいケエツブロウよ、
もう日が暮れる――あれ波が――
私の可愛いゝケエツブロウよ、
お前が去らぬで私もゆかぬ
お前の心は私の心
私も矢張り泣いてゐる、
お前と一しよに此処にゐる。
ねえケエツブロウやいつその事に
死んでおしまひ!その岩の上で――
お前が死ねば私も死ぬよ
どうせ死ぬならケエツブロウよ
かなしお前とあの渦巻へ――
――東の磯の渚にて、一〇、三、――
*ケエツブロウ=海鳥の名。(方言ならん)
[『青鞜』第二巻第一一号・一九一二年一一月号]
完
伊藤野枝の他の作品
TORENDIA
編輯室より(一
九一五年四月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一五年四月号)
伊藤野枝 ・ 約4分
TORENDIA
編輯室より(一
九一五年七月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一五年七月号)
伊藤野枝 ・ 約3分
TORENDIA
編輯室より(一
九一五年二月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一五年二月号)
伊藤野枝 ・ 約2分
TORENDIA
編輯室より(一
九一五年六月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一五年六月号)
伊藤野枝 ・ 約6分
TORENDIA
編輯室より(一
九一三年七月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一三年七月号)
伊藤野枝 ・ 約3分
TORENDIA
編輯室より(一
九一三年六月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一三年六月号)
伊藤野枝 ・ 約7分
TORENDIA
編輯室より
伊藤野枝
編輯室より
伊藤野枝 ・ 約3分
TORENDIA
編輯室より(一
九一四年一一月
号)
伊藤野枝
編輯室より(一九一四年一一月号)
伊藤野枝 ・ 約4分
TORENDIA
編輯室より(一
九一四年一二月
号)
伊藤野枝
編輯室より(一九一四年一二月号)
伊藤野枝 ・ 約3分
TORENDIA
編輯室より(一
九一六年二月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一六年二月号)
伊藤野枝 ・ 約3分
TORENDIA
編輯室より(一
九一六年一月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一六年一月号)
伊藤野枝 ・ 約6分
TORENDIA
編輯室より(一
九一四年一月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一四年一月号)
伊藤野枝 ・ 約7分
同じジャンルの朗読つきの本
TORENDIA
ざしき童子のは
なし
宮沢賢治
ざしき童子のはなし
宮沢賢治 ・ 約4分
TORENDIA
能面の様式
和辻哲郎
能面の様式
和辻哲郎 ・ 約7分
TORENDIA
今日は無事
正宗白鳥
今日は無事
正宗白鳥 ・ 約4分
TORENDIA
〔島わにあらき
潮騒を〕
宮沢賢治
〔島わにあらき潮騒を〕
宮沢賢治 ・ 約1分
TORENDIA
ヒント
織田作之助
ヒント
織田作之助 ・ 約1分
TORENDIA
赤ずきんちゃん
グリム兄弟 Bruder Grimm
赤ずきんちゃん
グリム兄弟 Bruder Grimm ・ 約9分
TORENDIA
夏向きの一夜
山之口貘
夏向きの一夜
山之口貘 ・ 約7分
TORENDIA
ロシヤに行く心
宮本百合子
ロシヤに行く心
宮本百合子 ・ 約2分