TORENDIA
死神
岡崎雪聲
TORENDIA
死神
本文約1,900字 ・ 読了時間 約4分
あらすじ(AIが作成しました)
明治十一年、東京の芝で暮らしていた二十五歳の青年は、名月の夜に谷中の知人宅からの帰路、将監橋付近で二時間もの記憶を失う。気がつくと花園橋で車に跳ねられ、本来の帰宅時刻から大幅に遅れて師匠の家へ辿り着く。翌朝、付近の柏の木で死者が出たことを知らされた青年は、師匠から死神に取り憑かれていたのではないかと告げられ、橋の袂で起きた不可解な体験と自身の奇妙な記憶の空白について綴る。
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🎧 死神 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら
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往来で放歌をすることは、近頃大分厳ましくなったが、或意味からいうと許してもよさそうなものだ、というのは、淋しい所などを夜遅く一人などで通る時には、黙って行くと、自然下らぬ考事などが起って、遂には何かに襲われるといったような事がある、もしこの場合に、謡曲の好きな人なら、それを唸るとか、詩吟を口吟むとか、清元をやるとか、何か気を紛らして、そんな満らぬ考を打消すと、結局夢中にそんな所も過ぎるので、これ等は誠によいことだと自分は思う。