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TORENDIA

越中劍岳先登記

本文約3,000字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

三角点測量に従事する柴崎芳太郎は、人跡未踏とされた越中の劍岳に測量標を設置するため、数名の随行者と共に登頂を試みる。古来より登攀不可能と信じられてきた険しい断崖や積雪に阻まれつつも、幾多の苦難を乗り越え頂上に到達する。頂上付近では古びた錫杖の頭や鏃、焚火の跡が残る岩窟を発見するが、その正体は謎に包まれている。本作は、国家事業としての測量任務を遂行する過酷な登山記録であり、未踏の山頂での不可解な発見を描く。

柴崎芳太郎

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🎧 越中劍岳先登記 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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越中の劍岳は、古来全く人跡未到の劍山として信ぜられ、今や足跡殆んど遍かられんとする日本アルプスにも、この山ばかりは、何人も手を著け得ざるものとして、愛山家の間に功名の目標となれるが如き感ありしに、会員田部隆次氏は、「劍山登攀冒険談」なる、昨四十年七月末『富山日報』に出でたる切抜を郵送せられ、かつ「先日山岳会第一大会に列席して諸先輩の講演、殊に志村氏の日本アルプスの話など、承わり、すこぶる面白く感動仕候、その中に、劍山登り不可能の話有之候に就きて、思い出し候間、御参考までに別紙切抜き送り候、……なお小生のその後、富山県庁の社寺課長より聞く所に拠れば、芦峅寺にては、劍山の道案内を知れる者有之候えども秘伝として、漫に人に伝えず、極めて高価の案内料を貪りて、稀に道案内をなせしことあるのみなりしが、今回の事にて、全くその株を奪われたる事になりしとか申候、この記事が動機となりて、今年より多くの登山者を出すを得ば、幸これに過ぎずと存候」と言える書翰を附して編輯者まで送付せられたり、(その後辻本満丸氏も、この記事の謄写を、他より獲て送付せられたり)聞く所によれば、『富山日報』のみならず、同県下の新聞にも大概出でたる由にて、劍岳を劍山と、新聞屋の無法書きは、白峰を白根、八ヶ岳を八ヶ峰などという筆法と同じく、おかしく感ぜらるれど、ともかくも登山史上特筆する価値あれば、左に全文を掲ぐ(K、K、)

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