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TORENDIA

月天讃歌(擬古調)

本文約340字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

兜の尾根の彼方から現れては雲間に隠れる月天子の動きを、荘重な擬古文で描き、無生を観じ怨親平等の光を野に流す姿を詠む宮沢賢治の詩。

宮沢賢治

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🎧 月天讃歌(擬古調) / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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兜の尾根のうしろより

月天ちらとのぞきたまへり

月天子ほのかにのぞみたまへども

野の雪いまだ暮れやらず

しばし山はにたゆたひおはす

決然として月天子

山をいでたち給ひつゝ

その横雲の黒雲の

さだめの席に入りませりけり

月天子まことはいまだ出でまさず

そはみひかりの異りて

赤きといとど歪みませると

月天子み丈のなかば黒雲に

うづもれまして笑み給ひけり

なめげにも人々高くもの云ひつゝ

ことなく仰ぎまつりし故

月天子また山に入ります

兜の尾根のうしろより

さも月天子

ふたゝびのぞみ出でたまふなり

月天子こたびはそらをうちすぐる

氷雲のひらに座しまして

無生を観じたまふさまなり

月天子氷雲を深く入りませど

空華は青く降りしきりけり

月天子すでに氷雲を出でまして

雲あたふたとはせ去れば

いまは怨親平等の

ひかりを野にぞながしたまへり

完

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