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TORENDIA

長詩

本文約8,200字 ・ 読了時間 約17分

あらすじ(AIが作成しました)

牢獄に収監された詩人が、閉塞した空間の中で過去の詩人であるバイロンとハイネの幻影と対峙する長詩。外の世界で社会変革の機運が高まる中、著者は「自由」や「情熱」を標榜しながらも、己の利害やエゴに囚われた英雄たちの亡霊を鋭く批判する。二つの世界で抑圧を受ける現状を直視しつつ、詩人は精神の誇りと屈辱に耐える自負を刻み、牢獄からの抵抗と勝利への意志を力強く描く。

槇村浩

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その時僕は牢獄の中に坐ってゐた 格子が 僕と看守の腰のピストルとの間をへだてゝゐた 看守は わざ/\低くつくりつけた窓からのぞきこむために 朝々うやうやしく僕にお辞儀し 僕は まだ脱獄してゐない証拠として ちびつけのブハーリンのような不精髯の間から 朝々はったと看守をにらみつけた これが僕らの挨拶だった 朝になると、窓が右からかげって来た 夜になると、窓が左からかげって来た そのたびにアスファルトのどす黒い影が ぐるりと鉄格子をまわって 二つの世界を僕の前にくっきりくりひろげた

僕はこう感じた 鉄格子の間には、××と卑屈と 道化芝居の動物園がある――― 誰が敢てそれを自由と呼ぶか! そこでは空気と太陽のかけらさえ 淫売婦のように購入を強ひられる 犬、猫かぶり、猿まね、下手くそなおーむども 何とゆうちっぽけでみじめな宇宙だ! そして僭越にも 誰が敢て僕らを檻の中と呼ぶか! このそとの、××と卑屈と、道化芝居の動物園の 僕らは果敢な園長ではないか――しかも僕らの中に死活の鍵を握った! おゝ、何とゆうこゝは自由な そしてほゝえましい世界だらう!

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