TRENDIA CLASSIC

同志古味峯次郎

槇村浩

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誰がこの困難無比の時代に 労働者の利益のために最も正しい道を選んだか ―――壁に頭を打ちあてるようなこの時代に その一つの例をおれは示そう―――確かに正しく! 古味峯次郎君 彼は鋼の中から打ち出され、飢餓の闘いが彼をボルセヴィキにまで鍛え上げた

(1) 彼は越知の狭い町はづれの 小作兼自作農の家に生れた そしてこんな南国の山麓の息子たちがそうであるように 十八の彼は 嶺を越え 花崗岩のはすに削られた 灰青色の岬の燈台を ぐっと 海のはてに斜めに回転させ そして 戸畑の炭坑にスコップをとった

彼は間もなくたくましい労働組合の一員だった 彼の上にはすぐれた同僚今村恒夫氏がいた 彼等の突撃隊は 耳朶の後にピストルを聞きながら 断崖のきりぎしを駆け下り 坑道に集会を組織した こんな時彼はいつも面と向って誰ひとりに顔をそむけなかった

運動は苦しく ブルジョアジー三井は、彼の健康と職業を奪い 先輩今村を頼って、彼は上京した 古い同僚は真赤な顔をしてどなりつけた ―――地方の部署を知れ! 彼ははっきりその一語を耳にしめた そして 彼はその夜東海道を西え帰ってきた 高知、小工業の多い変りばえのせぬ故郷 彼は紙のような白けた病体を抱えながら この部署にぴったりくっつこうと決意した

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