TRENDIA CLASSIC

鶴と鶯

槇村浩

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よく昔から梅に鶯、松に鶴と申します。これは或所のお話です。近頃は日本付近にあまり鶴が居ないので珍らしいものです。これは朝鮮と支那との境の山奥に珍らしくも猟人等の手をのがれて命をつないで居る一羽の鶴があります。一度は日本見物をしたいと云ふ考で早速用意にとりかゝり、花の都の東京さして東海道を真一文字に東の方へとんで行ったが、地図で見ると小指でつぶせるが狭いやうでも広い所、とう/\道をふみちがへて東京へ行く筈であったのが、わらぶきの家のならんで居る田舎の奥の山又山の所へまで来てしまった。

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