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TORENDIA

私は紙である

本文約1,400字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

高い山に生えた木が紙業家に伐採され、日本紙へと姿を変える。その後、汽車や汽船に揺られながら、ある老婦人が書いた手紙として持ち主のもとへ届けられる。各地を転々とする過酷な旅路を経て、届き先の人々に読まれ、やがて箱に納められるまでの過程を、紙自身の視点からその生い立ちと数奇な運命として綴る物語である。

槇村浩

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🎧 私は紙である / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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高い/\一万尺あまりもあらうといふ山の上に私は生れたのでした、或日一人の金持らしい人が登ってまゐりまして私や私の仲間を見て「惜しいものだ、りっぱな紙に成るのに」といはれました。私は別に気にも止めないで居ましたら四五日して大勢の人が私等のそばへやってまいりました。それから私等はりっぱな食物をいたゞく様に成りました。いく月もたった後一人の人がやってまゐりまして「もうそろ/\始めてもいゝな」といひ沢山の人を呼んで私等を切りました。いたいのをこらへて居ますとやがて四五日の中には皮はむかれ骨はのけられ見るからに浅ましい姿となりました。これは後で聞いた事ですが、あの金持は紙業家で早速に私等を買ひ紙にするつもりだったのださうです。私等はもう木ではありません。りっぱな/\日本紙です。する中に私等は汽車に積れました。「ナゴヤ――ヨコハマ――」等と外で云ふ声が聞えました。「シンバシ――」と大きな声がしますとすぐに「ガチャ/\ン」と大きな音がしました。

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