TORENDIA
かめ
濤音
TORENDIA
かめ
本文約320字 ・ 読了時間 約1分
あらすじ(AIが作成しました)
薩摩の殿を慕う女が、忍び姿で去りゆく愛しい人についていくことも許されず、悲しい世の理不尽を嘆く、琉球の恋歌ふうの詩「かめ」。
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🎧 かめ / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ
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まがどりのやうな冠船が翼をひろげて
那覇港内にしやんで居るうちは
薩摩の殿にはあへまいわなあ。
凛々しい殿のかみしも姿が眼の前に
まざまざと浮んでくるやうな。―
殿はいま露つぽい美里間切を深編笠のしのびあるき。
あゝなさけない世となつた。
ついあけがたまでなつかしい殿御と
添寝の夢の名残は室の隅にも残れど。
うらめしい開門鐘に空が白むと
むつくり起きあかりて仰せらるゝ
「さらばかめイしばらくは待つてくれ[#「待つてくれ」は底本では「待ってくれ」]。」
「妾もついてゆきます」と申すと
「これが邪魔する」とはつたと叩れた腰の朱鞘。
そうしててしやで染のわか小指をにぎられたが。
はてなさけない世となつた。
膏脂 香 息のつまりさうな唐人と
どうして添寝ができませうか。
完
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