TORENDIA
雨の日
森川義信
TORENDIA
雨の日
本文約290字 ・ 読了時間 約1分
あらすじ(AIが作成しました)
雨の宵、硝子窓からやってきては膝の上で鳴く「青猫」を、憂鬱と孤独の幻影として描き、それを手放そうとする心の揺れを詠んだ森川義信の詩。
速度
🎧 雨の日 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん
💰 この本を応援する(投げ銭)
1 / 1
硝子窓から青猫がやつて来てぼくの膝にのる
よろよろとまるで一枚の翳のやうなやつだ
背をなでてゐるとぼうぼうと啼き出し
ぼくの腹の中までぼうぼうと啼き出し
こいつ こいつ …………
だがお前の眼のうるんだ青白い幻燈よ
ゆううつな向日葵のやうにくるりくるりと
黒繻子の喪服の似合ふ貴婦人か
お前は晩秋のやうにぼくの膝にやつてくる
苦い散薬の重いしめりに
色変へるまで青猫を思索するぼくの若さよ
何年も座つてゐたやうに立ち上り窓に歩みよる
ぼくはもうぼくの青猫を放たう
夕暮は力強く窓硝子をおしつけ
その向ふでは雨の跫音が嗤ふ
ぼくは掌をみる ぼくは胸をみる
青猫は――青猫はもうゐない
いや
青猫はまたどこかでぼうぼうと啼きだす
完
森川義信の他の作品
TORENDIA
旅人の唄
森川義信
旅人の唄
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
高館
森川義信
高館
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
高館
森川義信
高館
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
旅
森川義信
旅
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
あるひとに
森川義信
あるひとに
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
海
森川義信
海
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
季節
森川義信
季節
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
漁村
森川義信
漁村
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
冬・断章
森川義信
冬・断章
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
冬
森川義信
冬
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
哀歌
森川義信
哀歌
森川義信 ・ 約1分
TORENDIA
雨
森川義信
雨
森川義信 ・ 約1分
同じジャンルの朗読つきの本
TORENDIA
春はよみがえる
小川未明
春はよみがえる
小川未明 ・ 約15分
TORENDIA
うすやみ
萩原朔太郎
うすやみ
萩原朔太郎 ・ 約1分
TORENDIA
Ein Zwe
i Drei
堀辰雄
Ein Zwei Drei
堀辰雄 ・ 約6分
TORENDIA
家長の心配
フランツ・カフカ Franz Kafka
家長の心配
フランツ・カフカ Franz Kafka ・ 約6分
TORENDIA
高御座
折口信夫
高御座
折口信夫 ・ 約9分
TORENDIA
南洲手抄言志録
秋月種樹
南洲手抄言志録
秋月種樹 ・ 約3分
TORENDIA
〔たゞかたくな
のみをわぶる〕
宮沢賢治
〔たゞかたくなのみをわぶる〕
宮沢賢治 ・ 約1分
TORENDIA
科学に志す人へ
寺田寅彦
科学に志す人へ
寺田寅彦 ・ 約13分