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TORENDIA

金解禁前後の經濟事情

本文約13,400字 ・ 読了時間 約27分

あらすじ(AIが作成しました)

大正六年以来続いていた金の輸出禁止が、昭和五年一月十一日の解禁により終止符を打つ。長きにわたり世界から取り残されていた日本経済の課題に対し、濱口内閣は財政の整理緊縮や国債の整理を断行した。国民の消費節約と国際貸借の改善を通じ、為替相場が回復したことを受けて決定された本件に関し、準備の経緯や解禁直後の経済界の展望、そして今後産業振興と貿易発展を目指す国民の覚悟について、当時の大蔵大臣が実務的な視点から詳細に論じる。

井上準之助

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金解禁前後の經濟事情に就て

我國に於て大正六年九月十二日に金の輸出禁止を實行して以來十三年の間金の輸出禁止が日本の經濟界に與へた惡影響は可なり大なるものであつて、此の間金解禁の計畫をしたのは一再に止まらなかつたが、種々の事情の爲めに其の實現が出來なかつた。然るに昨年十一月二十一日に、今年一月十一日に於て金解禁を決行することに決定發表し得たことは我國經濟の爲に非常な仕合せである。日本に取つては大正六年以來の問題、又之を世界から見ると、世界何れの國と雖も金解禁は已に決行されて居つて只日本だけが取殘されて居るからして、何時日本は金の解禁をするか、日本の金解禁は如何なる用意を以てするかは可なり注目されて居る爲に、金解禁は國の内外に於て大問題であつたのである。從て金解禁に對する諸般の準備、解禁の出來た事情、解禁の經濟界に與ふる影響、解禁後の國民の覺悟に就て廣く國民の理解を得置くことは將來の金本位制維持の爲め最も必要の事項と考ふる處である。

金解禁に對する準備

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