TRENDIA CLASSIC
警戒
富永太郎
1 / 1
酔ひ痴れて、母君の知り給はぬ女の胸にあるとき、「*ここにわが働かざりし双手あり」の句を君の耳もとにさゝやき、卒然と君の眼の中に、母君の白き髪と額の皺とを呼び入れるものは何であるか。心せよ、これこそ、世界の構成の最下層から突き出でて、君の心臓の内壁にまで達する、かのへらへらとした気味あしき触手の、節奏なき運動の効果なのである。人はこの触手の存在に気付くことがあまりに少なく、しかもそれのために「ちよろりとやられてしまふ」ことがあまりに多いのである。されば友よ、(君は尊敬すべき生活の殉教者だ)、まづ空間を横ぎるこれらの黒い線條の存在に注意しよう。そして、卑しむに堪へたるかれらの機能に対して、心からの敵意を以て警戒しようではないか。
* Voici mes mains qui n'ont pas travaill ―― Verlaine, Sagess e, , 1.
富永太郎の他の作品
TRENDIA CLASSIC
俯瞰景
富永太郎
俯瞰景
富永太郎 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
COLLOQU
E MOQUE
UR
富永太郎
COLLOQUE MOQUEUR
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
秋の悲歎
富永太郎
秋の悲歎
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
AU RIMB
AUD
富永太郎
AU RIMBAUD
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
遺産分配書
富永太郎
遺産分配書
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
美しき敵
富永太郎
美しき敵
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
横臥合掌
富永太郎
横臥合掌
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
画家の午後
富永太郎
画家の午後
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
影絵
富永太郎
影絵
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
焦燥
富永太郎
焦燥
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
頌歌
富永太郎
頌歌
富永太郎
TRENDIA CLASSIC
原始林の縁辺に
於ける探険者
富永太郎
原始林の縁辺に於ける探険者
富永太郎