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TORENDIA

婦人の反省を望む

本文約3,800字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

日本の婦人雑誌に散見される、表面的な家事や育児の自慢話を、伊藤野枝が厳しく批判する。著者は、現状の婦人教育や家庭生活がいかに形式的で融通の利かないものであるかを指摘する。表面的な知識や習慣を鵜呑みにせず、物事の本質を深く理解することの重要性を説き、子供の教育においても親の役割を問い直す。さらに、婦人が自らの欲望に対して消極的で狡猾な謙遜に甘んじている現状を打破し、個々が積極的な意志を持つことこそが、真の生活の向上につながると論じる。

伊藤野枝

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🎧 婦人の反省を望む / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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『女賢しうして牛売り損ふ』或はまた、『女の智恵は猿智恵』等と昔から日本の婦人は一方ならず今日迄、侮辱され続けて来ました。そして昔とちがつて今日では婦人も相当な教育の道が開かれて多くの教養ある婦人が輩出するに至つてもなをこの侮辱は続けられてまゐりました、私たちはそれを残念にも口惜しくも思ひますけれど、見渡した処僅かな人々をのぞくの他はまだ私共は大ぴらにこの侮辱を否定する訳けにはまゐりません。

今日婦人の為めに新聞雑誌など云ふものが幾種類も出来てゐます。そしてこの後もずんずん殖えては行くでせうがその殆んどすべてを通じてどんな内容をもつてゐるかと申しますと、それは大方の人々が知つてゐるやうにそれは低級な子女の何の訓練も加へられない情緒を猥りに乱すやうなのや、それでなければ善良な家庭の主婦達の安価なよみものに過ぎません。

日本の婦人雑誌で一番多数の読者を持つてゐると云はれる『婦人世界』はその最も安つぽさを振りまはしてゐる点では恐らく矢張り一番であらうと思はれます。その内容は一目見ても何の思慮も分別もなしに吐き出された『何々夫人の経験談』『何々夫人の苦心談』『某夫人の夫を助けて何々せし談』等がかずかぎりもなく記載されてあります。

併し私はこれ等の事実談を辛抱してよんで見ても未だ且つて何の感動をも感銘をも得ません。私は何時も自慢気な夫人達の手柄話の裏にひそんでゐる、幾多のより興味深き事実を見出します。そしてそれ等の最も多くの人だちに提供せらるべき本当の経験を彼女等が辱づべき事自己の醜きところとして秘しかくしてゐるのを見る度びに私は一種の侮蔑の念を抑へることが出来ません。

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