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TORENDIA

民芸品の部屋で

本文約540字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

メキシコの民芸品が放つ独特の色彩に触れた著者が、その色使いと現代絵画の深いつながりを考察する。数千年前の土偶の形態や民芸品の人形の色が、現代絵画の情熱を語る言葉として息づく様子を分析する。さらに、作家が国や人々と密接に結びついて壁画を描くメキシコの環境と比較し、日本の現代絵画のあり方と国民との関係性について独自の視点から論じる。

芥川紗織

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🎧 民芸品の部屋で / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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前にタマヨの絵を美術雑誌の原色版で見てそのまか不思議な色彩にひどく惹かれました。

それ以来私は何が何でもタマヨのファンになってしまいました。タマヨのよく使う発酵した様な異様な黄色や紫や桃色にひきつけられたのです。今度のメキシコ展で民芸品の部屋に足をふみ入れると私は“これだ。タマヨの色は”と思いました。民芸品の切り紙も人形も皆タマヨのあの魅力的な紫色や桃色なのでした。これはメキシコの現代絵画のすべてに云えることなのですが、何千年も昔の土偶の形態も民芸品のネンドの人形の色も皆現代絵画の中にそのまま生きていて彼等の激しい力と情熱を語る強力な言葉になって居るのです。

全くメキシコの絵画は彼等の言葉で彼等の問題を精一杯に叫んで居ます。それ故にメキシコの絵画はメキシコの国の誇りとなりメキシコ人すべての誇りとなっているのだと思いました。私はメキシコの作家達が大きなビルの外側の巨大な壁面に思い切り腕をふるって壁画を描いていることを心からうらやましく思います。国と国民の生活と作家がこんなに密接につながっている国を素晴しいと思いました。日本の現代絵画は日本の国や日本の多くの人々とは何の関係もないところで描かれているということが、私には間違ったことに思えるのです。(「美術批評」1955年10月)

完

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