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TORENDIA

レオナルド・ダ・ヴインチの手記

本文約780字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

労働の価値や模倣の意義、芸術における美の永続性について考察する。人間を自然の縮図と捉え、根源的な存在への憧憬や時間の経過に伴う破壊と死の受容を綴る。また、慢心が活力に与える影響や、知識と実践の調和の重要性を説き、人生を全うすることの意味を多様な視点から論じる。

レオナルド・ダ・ヴインチ Leonardo da Vinci

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おお、神よ。爾は、一切の善きものを、勞力の價を以て、我等に賣り給へり。

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古人を模倣する事は、今人を模倣する事より、賞贊に値する。

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「生」に於て、「美」は死滅する。が、「藝術」に於ては、死滅しない。

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感情の至上の力が存する所に、殉教者中の最大なる殉教者がある。

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我等の故郷に歸らんとする、我等の往時の状態に還らんとする、希望と欲望とを見よ。如何にそれが、光に於ける蛾に似てゐるか。絶えざる憧憬を以て、常に、新なる春と新なる夏と、新なる月と新なる年とを、悦び望み、その憧憬する物の餘りに遲く來るのを歎ずる者は、實は彼自身己の滅亡を憧憬しつつあると云ふ事も、認めずにしまふ。しかし、この憧憬こそは、五元の精髓であり精神である。それは肉體の生活の中に幽閉せられながら、しかも猶、その源に歸る事を望んでやまない。自分は、諸君にかう云ふ事を知つて貰ひたいと思ふ。この同じ憧憬が、自然の中に生來存してゐる精髓だと云ふ事を。さうして、人間は世界の一タイプだと云ふ事を。

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善く費された日が、幸福な眠を齎すやうに、善く用ひられた生は、幸福な死を將來する。

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自分が、如何に生く可きかを學んでゐたと思つてゐる間に、自分は、如何に死す可きかを學んでゐたのである。

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鐵は、用ひない時に、る。溜り水は、濁つて、寒天には、氷結する。懈怠が心の活力を奪ふ事も亦、これに比しい。

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おお「時」よ。一切を滅却する爾よ。おお嫉みふかき時代よ。爾は、年の鋭き齒牙を以て、徐なる死に、一切を破壞し、一切を併呑する。ヘレンは、老年が面上に刻した皺を、鏡中の影に認めた時、泣いて、何故に彼女が二度までも誘拐し去られたかを怪んだ。

おお「時」よ。一切を滅却する爾よ。おお一切を滅却する嫉みふかき時代よ。

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木は、木を滅する火の燃料となる。

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最大の不幸は、理論が手腕を超過した時である。

(抄譯) (大正三年頃)

完

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