スザナの物語
本文約3,600字 ・ 読了時間 約8分
あらすじ(AIが作成しました)
バビロンの資産家ヨアキムの妻スザナは、庭での入浴中に二人の長老から情欲を抱かれ、理不尽な要求を拒んだことで不義の濡れ衣を着せられる。死刑の宣告を受けた彼女に対し、若者ダニエルが立ち上がる。ダニエルは裁判で二人の長老を別々に尋問し、不一致な証言を暴くことで偽証を証明する。無実が明らかになった彼女は救われ、二人の悪人には相応の裁きが下される。潔白な女性の危機と、知略によって真実が守られる過程を描く。
💰 この本を応援する(投げ銭)
バビロンにヨアキムという人が住んでいた。そしてこの人はスザナという妻をもらつたが、これはケルキアスの娘で、たいへん美人であり、神を恐れる婦人であつた。この女の両親も正しい人で、モーゼの律法に従つて娘を教育した。
さてヨアキムは金持でえらい人だつたが、家に接する美しい庭園を持つていた。そしてこの人は他のだれよりも尊敬されていたので、ユダヤ人たちがしげしげと出入りした。
その年に人々の中から二人の長老が裁き人に任じられたが、これは主が告げたもうたように、邪悪はバビロンの老いたる裁き人からくるというたぐいの人で、人々を支配しているようであつた。この二人はたいていヨアキムの家にいて、法律の訴えをする者はみなここへ来た。
さて人々が正午に立ち去つてしまうと、スザナは家の庭園へ散歩に行つた。そして二人の長老は毎日彼女が散歩に入つてくる姿を見て情欲を燃え立たせていた。そして邪心を起こしたので、眼をそむけて、天を仰ぎ見ないようにし、正しい裁きを思い出さないようにした。そして二人とも彼女への恋に傷ついていたけれど、それでも相手に自分の悲しみを見せようとはしなかつた。というのは彼女を自分の物にしたいという欲情を公言するのを恥じていたからである。それでも彼らは毎日怠らずに彼女を見ようと注意していた。
そして一人が相手に言つた。「さあ中食の時間だから、帰ろうじやないか」
そこで二人は外に出て、別々にわかれたが、また引き返して、同じ場所で出合つてしまつた。そして、おたがいにどうしたわけかときいてから、二人は自分たちの欲情を認めた。そこで女が一人でいる機会が見つかつたら一緒に行動しようと約束した。
そして二人が折あらばとねらつているとき、彼女はいつものとおり二人の女中だけを連れて入つて行つて、暑いので庭で体を洗いたくなつた。そして姿をかくして彼女を見張つていた二人の長老以外には、そこにはだれもいなかつた。