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TORENDIA

HUMAN LOST

本文約11,600字 ・ 読了時間 約24分

あらすじ(AIが作成しました)

板橋区の脳病院に入院した「私」は、自身の苦悩や周囲の患者たちとの関わり、そして妻や周囲に対する複雑な心情を日記形式で綴る。本作は、病院での生活や退院後の療養計画を通じ、人間としての誇りを保とうとする苦闘と、他者への深い情愛、そして自身の精神的自立を模索する過程を描いている。

太宰治

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思いは、ひとつ、窓前花。

十三日。 なし。

十四日。 なし。

十五日。 かくまで深き、

十六日。 なし。

十七日。 なし。

十八日。

ものかいて扇ひき裂くなごり哉

ふたみにわかれ

十九日。

十月十三日より、板橋区のとある病院にいる。来て、三日間、歯ぎしりして泣いてばかりいた。銅貨のふくしゅうだ。ここは、気ちがい病院なのだ。となりの部屋の若旦那は、ふすまをあけたら、浴衣がかかっていて、どうも工合いがわるかった、など言って、みんな私よりからだが丈夫で、大河内昇とか、星武太郎などの重すぎる名を有し、帝大、立大を卒業して、しかも帝王の如く尊厳の風貌をしている。惜しいことには、諸氏ひとしく自らの身の丈よりも五寸ほどずつ恐縮していた。母を殴った人たちである。

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